今年の3月まで、自治会(町内会)の班長 地域によっては「隣組長」「組長」とも呼ばれる役職を1年間務めて、ようやく解放されました。うちの班は10世帯ほどです。
「班長って実際に何をするの?」「町内会費はいくらかかるの?」「ぶっちゃけしんどい?」と気になっている方も多いと思うので、1年間の体験談としてまとめておきます。これから班長が回ってくる予定の方や、自治会への加入を検討中の方の参考になれば幸いです。
「班長」「組長」「隣組長」——呼び名は地域によってバラバラ
まず知っておきたいのが、この役職の呼び方が地域によってまったく異なるという点です。班長・組長・隣組長、いずれも正式名称として使われており、行政文書でも地区ごとに表記が違います。私の地区では行政文書上は「班長」という表記が使われていました。
この地域では自治会(町内会・町会)の中に数十の班(隣組)があり、班長は1年ごとに世帯順で持ち回りとなっています。任期が来れば問答無用で回ってくる、いわゆる輪番制です。
班長(隣組長)の主な仕事内容
① 自治総会への出席
年に一度、年度初めに開催される総会に出席します。予算報告・役員選出・各種報告事項・班長としての仕事の年間スケージュールなどが主な議題で、基本的には聞いているだけです。1時間程度でした。
委任状を提出して欠席する班長も多く、昨年度は出席率が半分以下でした。欠席しても特に問題はなさそうな雰囲気でしたが、年度初めということもあり一応出席しておきました。
② 町内会費の集金(年間3,600円)
年度初めに行う集金業務です。月300円×12ヶ月分をまとめて4月に徴収するスタイルで、年額3,600円。全国的にみてもかなり安いほうだと思います。
気になる自治会費の主な使い道は、会計報告書によると以下の通りです。
- 防犯灯・街灯の電気代・修理・増設費用
- ゴミステーションのネットなど備品・管理費
- 町内会所有の集会所・公園などの固定資産税
- 町内会でのお祭り費用
- 寿会・子供会などへの活動助成
- 敬老(高齢者宅への粗品贈呈)
- 役員手当(班長含む)
地域インフラを住民どうしが支え合う仕組みですが、払っている側はあまり意識していないことが多いですね。
私自身、「夏祭りで役員の大人たちがみんな酒をたくさん飲んでいたから、町内会費は実は役員のおじさんたちの飲み代に消えているのでは」と思っていたこともありましたが、会計報告を見る限り今はそういうわけでもないようです(笑)。
集金作業自体はそれほど大変ではないですが、顔見知りでない世帯への訪問は最初かなり警戒される雰囲気もありました。不在のお宅には何度か足を運ぶことにもなりました。
なお、地域の人口自体は増えているにもかかわらず、役員を引き受けてくれる人が年々減っており、高齢の方が複数の役職を兼務しているのが現状です。持続可能な自治会運営という点では、かなり厳しい状況になっているのを実感しました。
③ 各種寄付・募金の取りまとめ(うちの班では廃止済み)
かつて班長をした際には年7回~8回ほど、覚えている範囲ですが、以下のような寄付・募金の集金も班長の仕事となっていました。
- 日本赤十字社への寄付(会費)
- 社会福祉協議会への寄付
- 夏祭り協力費
- 神社への奉納
- 赤い羽根共同募金
- 歳末助け合い募金
- 育成会への寄付
しかしうちの地域ではコロナ禍を機にこれらがすべて廃止されています。
任意の寄付のはずが、金額まで指定されていて、班長が集金に来ることで事実上の半強制になっていて「断りにくい」「みんな払ってるなら仕方なく」という空気がありますよね。こうした比較的小さな負担でも積み重なって、過去には「面倒くさいから」という理由で隣組を脱退した世帯もありました。
過去に別の方が班長をされていた時、仕事が忙しくて寄付金の1年分を一括集金になればありがたいと提案があり、私も賛成したのですが、1件の高齢の世帯の方が反対されたようで、結局実現しませんでした。その後、数年が経ちコロナ騒動の時期くらいに班内で話し合い、寄付の集金活動そのものが全廃となりました。
自治会の加入率を下げている要因の一つが、こういった半強制的な寄付の集金文化だと感じます。今後、こうした慣習は全国的にもさらに縮小していくのかもしれませんね。
④ 広報・回覧文書の配布
区の役員さんがまとめて届けてくれた広報誌や回覧文書を、各戸のポストに投函して回ります。回覧板を回し始めるのも班長の仕事です。
1年間で3回ほど回覧板が戻ってこないことがあり、長期不在だった世帯や、うっかりしまい込んで回すのを忘れてしまったという例がありました。しばらく戻ってこない場合は一応確認するようにしました。
最近はスマートフォンやPCで広報を閲覧できる自治体も増えているので、紙の広報配布はそう遠くないうちに廃止になるのではないかと感じています。デジタル化が進めば班長の仕事は確実に減っていくと思います。
班内の変化:この10年で顔ぶれがガラッと変わった
少し前まで近所は高齢者だけの世帯が多く空き家も増えていたため、「このまま班が消滅するかも」と感じていました。ところが最近、その空き家に新しい家族が引っ越してくるケースが相次いでおり、班内のメンバーはこの10年で大きく入れ替わりました。世帯数も大幅に減ることなく、なんとか維持できています。
近隣の班では脱退者や最初から加入しない方も増えているようですが、うちの班の加入率は今のところ高い状態を維持できています。ある意味では珍しいケースかもしれません。
自治会の慣習はどんどん変わっている
私が子どもの頃は、近所で葬儀があると隣組の全員が仕事を休んで手伝いに行くのが当たり前でした。当時は自宅で葬儀を行うことも多く、近所の人手が必要だったのです。しかし葬儀場での葬儀が一般的になると、その風習は完全に消えました。
弔問のスタイルも変わっています。かつては隣組一同で全員が弔問に赴いていましたが、次第に香典のみになり、今ではその香典自体も廃止されて個人に任せる形になっています。
自治会・町内会というシステムが時代の変化に合わせて少しずつ形を変えているのを実感します。無理のない形で続けていくためには、古い慣習を見直していくことも必要なのだと思います。
実際に班内の住民から来た要望と対応結果
高齢の方を中心に、自治体窓口に直接連絡するのではなく班長経由で依頼が来ることがあります。
| 要望内容 | 結果 |
|---|---|
| 自宅からゴミステーションが遠いので増設してほしい | 増設が実現 |
| 道沿いの草が伸びているので草刈りをしてほしい | 自治体が対応・実施 |
| 事故が数回あった交差点にミラーを設置してほしい | 数ヶ月で設置完了 |
| 凸凹の砂利道を整地してほしい | 自治体が対応・実施 |
まとめ:班長(隣組長)をやってみた正直な感想
1年を振り返ると、地味に時間を取られたのは住民からの要望対応でした。特にゴミステーションの新設は道路上のスペースに設置したため若干の手続きのようなものがありました。一方、かつて年7回ほどあった各種寄付の集金がすでに廃止されていたのは、正直かなり助かりました。
「自治会・町内会なんて意味あるの?」と思っていた部分もありましたが、防犯灯・ゴミ問題・道路環境といった日常の課題解決に自治会が一定の機能を果たしているのかもしれませんね。
ただ、役員のなり手不足・高齢化・加入率の低下という問題は年々深刻化しています。実際に町内会自体がない地域や、解散する事例も増えているようです。今の仕組みのままでは立ち行かなくなる地域も出てきそうで、うちの地域もそう長くは続かないだろうという気がしています。

コメント