親知らず抜歯の体験談 1ヶ月間に2回に分けて4本抜歯

当サイトではアフィリエイト広告を利用しています。

個人的な話なのですが、長年ずっと放置してきた親知らずを4本、ついに抜いてきました。2回に分けて通院で抜いたのですが、これここ数年で一番大きな出来事でした。

こう書くと、たいしたことないように見えるかもしれません。でも、病院が苦手な私にとっては、本当に気が重いイベントだったのです。できれば抜かずに一生を終えたい。そんな本音のまま先延ばしにしてきましたが、下の親知らずから出血するようになり、ついに逃げ場がなくなりました。

5年以上も放置した、下の横向き親知らず

下の親知らずの周りは、5年ほど前からずっと不安定な状態でした。私の場合、歯ぐきから少しだけ歯の頭が見えている状態。そのわずかな隙間に、食べものが異様に詰まるのです。

食後のたびに、何かが挟まっている不快感がある。でも、歯みがきをしてもどうしても取りきれない。フロスを入れようとしても入らない。ときどき出血し、たまに腫れては、口の中ににがい嫌な味がじわっと広がることもありました。

あとで調べてわかったのですが、これは智歯周囲炎(ちししゅういえん)と呼ばれる状態で、横向きに生えた親知らずのまわりに汚れがたまり、歯ぐきが繰り返し炎症を起こす典型的なパターンだそうです。

親知らずは場合によっては抜かなくていい、という話を聞いたことがある人は多いと思います。実際、まっすぐきれいに生えていて、噛み合わせにも問題がなく、汚れも除去できる状態であれば、無理に抜く必要はないとよく言われます。

長年、もしかしたら自分のは抜かなくていいタイプかもしれない、そんな期待を持ち続けていました。しかし横向きに生えた親知らずは、話が別。歯ブラシが届かない部分に汚れがたまり続け、繰り返し炎症を起こす。放置すればするほど、隣の歯に虫歯や歯周病が広がるリスクも高くなる。そのことを、今回の一件でようやく身をもって理解しました。


親知らずの炎症にほとんど効果のなかった自己流ケア

さっさと歯医者に行けばいい話なのに、5年ものあいだ、炎症を抑えようとしていろいろな方法を試し続けました。

ネットで評判のいい殺菌洗浄液を薄めて何度も丁寧にしつこくうがいをする。塗るタイプの市販薬を指に取って患部に直接ぬりこむ。ジェットウォッシャーの強い水流で、歯周ポケットに入り込んだ食べかすを無理やり洗い流す。先が尖ったタフトブラシを買ってきて、届きにくい隙間を時間をかけて磨く。

どれも全くの無意味ではないと思うのですが、横向きに埋まった親知らずのまわりには、正直なところほとんど効果がありませんでした。どんなに工夫しても、深い炎症部分には物理的に届かないのです。

一時的にすっきりした気はしても、数日後にはまた同じ不快な状態に逆戻り。今思えば、汚れや菌がどうこうという前に、歯の生え方そのものが問題だったので、外側からいくらケアしても根本は何も変わらなかったわけです。この5年間ただ問題を先送りにするための無駄な努力を続けていただけでしたね。

ついに訪れた、激痛と腫れのピーク

転機は昨年の年末ごろです。下の奥の親知らずあたりが、どくどくと脈打つように痛み出し、みるみるうちに腫れてきたのです。鏡を見ると、明らかに左右の顔のラインが違っていました。

これはまずいと思ったのですが、よりによって年末年始。どこの歯医者も休みに入っています。ネットで調べて、腫れを抑えるとうたっている市販薬を急いで取り寄せて塗ってみたものの、正直まったく効きませんでした。たぶん、その時の私の症状と薬の用途が、根本的に合っていなかったのでしょう。

結局、家にあったロキソプロフェンを時間を見ながら飲み続けるしかありませんでした。薬が効いているあいだだけ痛みを忘れ、効果が切れるころにまたそわそわしだす。腫れと痛みに耐えたあの数日間は、本当に長く感じました。

急性の智歯周囲炎が起きているとき、市販の塗り薬はほとんどの場合効果がないそうです。根本的な原因である歯そのものを処置しない限り、炎症は何度でも繰り返す。そのことをもっと早く、知識として知っていればよかったと今でも思います。


歯科で紹介状を書いてもらい、大きい病院の口腔外科へ

正月明け、ようやく開いた歯医者へ駆け込んだころには、炎症は少し引いていました。それでもレントゲンを撮ると、先生の反応はあまり芳しくありません。

下の親知らずは横向きですね。これはうちのような一般的な歯科では抜けません。口腔外科を紹介します、とあっさり言われました。難易度の高い抜歯手術になると思われるし、術後は相当な腫れと出血があるはずです、とも。

画面に映った自分の歯は、きれいに横倒しになっていました。左右とも同じような状態で、しかも今回腫れたほうは、長いあいだトラブルを起こしてきた形跡があるとのこと。なるほどこれは、素人目に見てもかなり厄介そうな気がしました。

横向きの親知らずは、専門的には水平埋伏智歯(すいへいまいふくちし)と呼ばれるそうです。歯ぐきの中に一部が埋まったまま横を向いている状態。一般の歯科では対応が難しいケースが多く、大きな病院の口腔外科への紹介になることがほとんど。まさにそのパターンに、私は当てはまってしまいました。


大きな病院の口腔外科での診断

紹介状を持って、緊張しながら大きな病院の口腔外科へ向かいました。正直、足取りは重かったです。ところが実際に診てくれた口腔外科の先生は、拍子抜けするほど穏やかな方でした。少し冗談を交えながら親身になって話を聞いてくれて、まずそこで少しだけ気が楽になりました。

改めて精密なレントゲンを撮り、大きな画面を見ながら丁寧に説明してもらいます。初日はあくまで診断と説明のみで、実際の抜歯はその2週間後になりました。

「親知らずは全部で4本あります。下の左右2本は横向きで、常に炎症が起きやすい状態です。これは抜いたほうがいいですね。ただ、問題を起こしているほうの内部には、嚢胞(のうほう)か腫瘍のようなものがある可能性があります。神経もかなり近い、または重なっているかもしれません。上の親知らずは、下がなくなると噛み合わせに関係なくなるので、ついでに抜いてしまいましょう。」

こういう感じの説明でした。先生はさらっとした口調でしたが、嚢胞、そして神経が近いという言葉は頭の中に強くひっかかりました。

嚢胞とは、液体のたまった袋状の組織のこと。放置すると少しずつ大きくなり、顎の骨を溶かしてしまうこともあるそうです。5年以上も炎症を繰り返してきた私の歯には、そういう変化が起きていてもおかしくなかった。

せっかく2本抜くなら、もう片方もお願いできないかとその場で相談してみました。すると、「4本いっきに抜くなら入院対応になります、2本ずつ外来で分けることもできますよ」とのこと。迷わず後者を選びました。入院は避けたかったのです。

結局、1か月ほど空けて2回に分け、合計4本を抜くことに。日程が決まった瞬間、逃げ道が完全にふさがれたような感覚がありました。

抜歯前夜の葛藤と、AIのアドバイス

抜歯前日は、どうしても落ち着きませんでした。大人になってからの本格的な抜歯は初めて。しかも横向きで、嚢胞の疑いまである。神経麻痺が残ったらどうしよう、出血が止まらなかったらどうしよう。

昔、どこかで耳にした抜歯の事故のような極端な例まで思い出してしまい、考え出すときりがありません。横向きの親知らずの抜歯では、下歯槽神経が近いため、術後に唇や顎にしびれが残るリスクがあると説明を受けていました。確率は低いとのことでしたが、ゼロではありません。

そんな不安でいっぱいの時、ふとAIに相談してみました。すると返ってきたのは、意外な言葉でした。

「明日は置物になってきてください。あなたは何もする必要がない。ただ口を開けていればいいんです。先生が全部やってくれます。簡単でしょ。」

余計なことは考えず、すべてを先生に預けて、私はただの置物になろう。そう決めて、抜歯中に頭の中で流すための音楽まで用意して、無理やり眠りにつきました。


いよいよ抜歯手術当日。口の中の工事

当日は、一番状態の悪い下の横向き親知らずと、その上の親知らずをセットで抜くことになりました。消毒液でうがいをし、口のまわりを念入りに消毒。血圧計を巻かれ、指には酸素濃度を測る機械をつけられます。自分の脈が少し速くなっているのが、はっきりとわかりました。

今回の抜歯は全身麻酔ではなく、普通の局所麻酔です。痛みに関しては、麻酔の注射をするときにちくっとする程度。子供のころに受けた虫歯の深い治療の痛みに比べれば、十分に耐えられるレベルでした。

始まってしまえば、あとは流れに身を任せるだけです。口の中で大きな工事をされているような感覚。音と振動はかなりのものですが、痛みは全くありません。歯ぐきを切り、骨を削り、少しずつ力をかけて歯を動かしているようでした。

ここで一気にやるとまずいので、慎重にいきますね。先生が時折かけてくれる言葉に、慎重さが伝わってきてありがたい反面、時間がとても長く感じられます。早く終わってくれ、と心の中で何度も祈りました。

途中、生臭いにおいが広がる瞬間がありました。おそらく炎症を起こしていた部分でしょう。長年、口の中で膿の味がするたびにうがいで誤魔化してきた、あの嫌な感覚を思い出しました。自分の口の中に、ずっとこんなものが溜まっていたのか。そう思うと、少し複雑な気持ちになりました。

姿を現した、5年の放置の結果

歯を分割して抜きますね。そう言われて、ぱきっという感触があったあと、しばらくして取れましたよと声がかかりました。その瞬間、全身の力が一気に抜けました。

炎症のもとも取り除いておきますね、と言われて見せてもらったのは、赤く小さな臓器のような組織でした。なかなかの見た目でしたが、これが今まで私を悩ませてきた原因だったのかと妙に納得しました。

先生の話では、やはり嚢胞のような組織ができていたとのこと。5年以上放置した結果が、あの赤い塊になって、少しずつ膿や血を出し続けていたわけです。抜いた親知らずは処分をお願いしました。嚢胞のようなものは病理検査に出され、後日結果を待つことになりました。

※後日、含歯性嚢胞(がんしせいのうほう)というもので、悪性ではないことが判明しました。事前に調べていて、確率は低いとわかってはいましたが、やはり正式な結果を聞くまではどこか不安だったので、本当にほっとしました。


上の親知らずの抜歯と、帰宅後の変化

下の親知らずが終わると、先生はすぐに上の抜歯に取りかかりました。こちらは驚くほどあっさり。下が30分ほどかかったのに対し、上は10分もかからないくらい。スポンと抜けるような感覚でした。

ガーゼを15分ほどしっかり噛んで待ち、止血を確認。帰宅前にいくつかの注意事項を説明されました。喫煙、飲酒、激しい運動、長風呂は控えること。傷口を舌で触らないこと。強いうがいは絶対にしないこと。

ドライソケットといって、血のかさぶたが剥がれて骨が露出してしまうと、激痛が長引くそうです。最初の数日間は、特に丁寧に扱う必要があると言われました。抗生剤と痛み止めをもらい、自分で車を運転して帰宅しました。

家に着き、麻酔が切れてくると、じわじわと痛みがやってきました。激痛ではありませんが、ずっしりと重い痛みです。頬も少しずつ膨らみ、鏡を見ると、ああ腫れてきたなとはっきりわかる程度になりました。

抜歯後の経過と、2回目の抜歯

嚢胞を摘出したほうの親知らずは、やはりダメージが大きかったのか、治りがいまいちでした。片方の奥歯でしか噛めないので、食事をするにもいつもの倍以上の時間がかかり、不便な日々。

1週間ほどで糸を抜いた時も腫れと痛みが残り、抗生剤と痛み止めを追加で処方されました。さらに1週間ほどは痛み止めが手放せない生活が続きました。

しかし、その約1ヶ月後に行った、もう片方の上下の抜歯はもともと炎症が少なかったせいか、痛みも少なく、1週間後の抜糸のタイミングではほとんど違和感がなくなっていました。2週間後には普通に両方の奥歯で噛めるほどに回復。同じ親知らずでも、事前の炎症具合でこんなに経過が違うのですね。ただしドライソケットになっていたようです。


もっと早く抜いておけばよかったという後悔

今回の一連の経験で学んだことをひとつあげるとすれば、親知らずは痛みや腫れが引いたから大丈夫という思い込みが本当に危険だということです。

智歯周囲炎は、風邪のように自然に治るものではありません。一度落ち着いたように見えても、原因である歯がある限り、体調の変化などで必ず再発します。そして再発を繰り返すたびに、周囲の組織はじわじわと確実にかじり取られていくのです。

歯槽膿漏への移行や、隣の健康な歯への歯周病などの伝染。そして嚢胞ができてしまうこと。これらはすべて、放置が引き起こす結果です。

もし同じように、横向きの親知らずが気になっているけれど、今は痛くないからいいや、と感じている人がいたら、一度しっかりと診てもらうことを強くおすすめしたいです。

抜かなくていいかどうかは、素人判断ではなく、レントゲンを撮ってみないとわかりません。ただ、横向きに生えていて繰り返しトラブルを起こしているなら、抜いたほうがいいケースがほとんどだと、口腔外科の先生もおっしゃっていました。


4本すべてを抜き終えて、手に入れた清々しさ

すべての親知らずを抜き終えた今、口の中の感覚が明らかに変わりました。食後にずっと気になっていた場所がない。たまに出血したり腫れたりする不安がない。たったそれだけのことなのですが、想像以上に清々しい気持ちです。

5年以上、ずっと奥歯のあたりに、重い荷物を背負っているような感覚がありました。それを、怖さや面倒くささ、そしてまだ大丈夫という自分への甘えで見ないふりをしてきました。

抜いてみて初めてわかったのは、自分がずっと、その慢性的な不快感に慣れきってしまっていた、ということです。なくなって初めて、あれがどれだけ日々の小さなストレスになっていたかに気づきました。

嚢胞を育ててしまったことは反省しかありません。それでも、ようやく終わった、という解放感のほうが今は何倍も大きいです。

不安をずっと抱えたまま先延ばしにするより、たとえ怖くても、一度向き合ってしまったほうが絶対に後が楽になれる。少なくとも私はそうでした。もし、同じように悩んでいる人がいたら、この体験談が、重い腰を上げるための小さなきっかけになればうれしいです。

親知らず抜歯にかかった費用と通院回数

最後に、現実的なお金の話をまとめておきます。

口腔外科に支払った合計金額は、4本すべての抜歯で、自己負担分が約23,000円でした。抜歯そのものの技術料に加え、組織検査やレントゲン、診療情報提供料、そして処置に使う止血剤なども含めての金額です。

そのほか、最初の相談や抜糸、消毒、洗浄のために、かかりつけの歯科に合計4回通い、計7,000円ほど。その他、薬代がすべて合わせて1,500円ほどでした。

合計で約3万円少し。これで5年間の悩みとサヨナラできた計算になります。もっと高額な費用がかかるイメージを持っていましたが、入院を選択しなかったためか終わってみれば、むしろ安かったとすら感じています。

通院回数は、口腔外科が4回、歯科が4回の計8回。多少の通院の手間はありましたが口の中から爆弾は消え去りました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました