0800-300-7022、あるいは08003007022という番号から突然着信があった方へ。この電話、出てしまった方も出なかった方も、まずこの記事を最後まで読んでください。結論を先に言うと、これは迷惑電話を通り越して非常に危険度の高い電話です。前回の記事で扱った世論調査の電話とは性質がまったく異なります。あちらは迷惑ではあるものの一応実態のある企業による調査電話でした。しかしこの08003007022は、発信元の実態が不明で、個人情報を根こそぎ抜き取ることを目的としている疑いが非常に強い番号です。
まず、この番号に関して確認できていること
電話番号検索サービスに寄せられた口コミ数は600件以上。そのうち迷惑と評価されたものが99%以上という異常な数字となっていました。
報告されている内容をまとめると、電気料金削減のアンケートに協力してほしい、電気料金が高いと感じるか?戸建てか?などという自動音声が流れます。
また、青森や岩手、福島、宮城、山形、秋田と東北地方に住んだ経験がある人にこの電話番号からの着信が報告されていて地域を絞ったターゲティングをしている可能性が高そうです。
発信元の組織名は電気料金調査センターと称していますが、そういった名称の公的機関や正規企業は実在しません。調べても実態が確認できないまったくの架空名称です。
どんな電話なのか、具体的な内容
実際にかかってきた電話の内容として報告されているのは、おおむね以下のようなパターンです。
自動音声が流れ、電気料金の削減診断アンケートに協力してほしいと切り出してきます。そこから先は数字のプッシュ操作で進んでいく形式で、以下のような情報を順番に聞き出してこようとします。
- 現在契約している電力会社の名前
- 毎月の電気料金の目安(数千円単位で選ばせる)
- 世帯人数と家族構成(一人暮らしか、子どもがいるかなど)
- 自宅の建物種別(戸建てかマンションか)
- 在宅時間帯
一見すると、電力会社の乗り換え診断っぽい内容に見えます。実際、最初の質問だけ答えたという人もかなりいます。しかし、この情報の組み合わせが非常に危険なのです。
なぜここまで危険なのか——答えた情報が何に使われるか
ここが最も重要なところです。電気料金や家族構成を聞かれても、別に大した情報じゃないと思う方も多いでしょう。しかし現実はそうではありません。
金融詐欺への転用
自動音声でのやり取りが一段落すると、有人オペレーターに切り替わり、さらに詳細な情報を聞き出そうとするケースが報告されています。ここでクレジットカード番号や口座情報を聞き出されると、そのまま不正利用される可能性があります。
また、自動音声に答えた後でSMSでURLが送られてきて、そのリンク先で金融情報の入力を求められるパターンも確認されています。フィッシングサイトは本物の電力会社サービスにそっくりなデザインで作られていることが多く、見分けがつきにくいのが厄介なところです。
闇バイト強盗の下準備に使われる可能性
これが最も深刻なリスクです。
近年、関東を中心に闇バイト強盗と呼ばれる犯罪が急増しています。こうした犯罪グループは事前に闇リスト(闇名簿)と呼ばれる個人情報の名簿を入手し、ターゲットを絞って犯行に及びます。この名簿には名前・住所・家族構成・資産状況・生活時間帯などが記載されていると言われています。
電気料金調査センターを名乗る電話に答えることで、以下の情報が一気に相手に渡ります。
- 家に何人住んでいるか(一人暮らしか、高齢者が同居しているかなど)
- 毎月の電気代から、おおよその生活水準や資産規模が推測できる
- 在宅時間帯から、深夜や早朝に誰もいないタイミングが分かる
- 戸建てかマンションかで、侵入のしやすさが変わる
これらが組み合わさると、強盗グループにとって非常に有用なプロファイルが完成してしまいます。電気料金という日常的で公共性の高い話題で油断させ、さりげなく聞き出す。まさに巧妙な手口です。
セキュリティ大手会社のALSOKも、闇バイト強盗のグループが役所職員や警察などを装った電話で家族構成や資産状況を調査するケースがあると警告を発しています。電気料金調査という形もそのバリエーションのひとつと見て間違いないでしょう。
大手電力会社は自動音声でアンケートを実施しない
念のため明記しておきます。東京電力・東北電力・中部電力・関西電力・中国電力・四国電力・九州電力など、日本の大手電力会社はいずれも、自動音声ガイダンスによるアンケート調査は実施していません。
東北電力は公式サイトで、社員や集金員を装った悪質行為への注意を呼びかけています。中国電力も、高齢者向けに電気料金が安くなるメニューがあると称して家族構成や年齢を聞き出す事例が多発しているとして、自社から電気料金使用量を聞き出すことは絶対にないと明言しています。
つまり、電力会社を名乗る自動音声電話が来た時点で、それは100%偽物です。内容の詳細を確認するまでもなく、即座に切って構いません。
折り返しは絶対にしてはいけない
08003007022は0800で始まるフリーダイヤル番号です。フリーダイヤルというと安心感を覚える方もいますが、折り返しは絶対に控えてください。
理由は二つあります。ひとつは、折り返した時点でその番号が使用中であると相手に確認され、以降の着信が増える可能性があること。もうひとつは、折り返した先で別の誘導(人への転送や別番号へのリダイレクト)が待ち構えている場合があることです。
着信履歴に残っていても、無視して着信拒否設定をするだけで十分です。
すでに答えてしまった場合——状況別の対処法
数字をプッシュしただけの場合
電力会社名や料金帯を選択しただけなら、そこから直接金融被害に発展するリスクは比較的低いです。ただし、その後にSMSが届いた場合はURLを絶対に開かずにそのまま削除してください。また着信拒否設定を早めに行ってください。
有人オペレーターと話してしまった場合
この番号に限らずですが、得体の知らない電話番号からの着員で名前・住所など、具体的な個人情報を口頭で伝えてしまった場合は注意が必要です。すぐに以下の対応をとってください。
消費生活センターの電話相談窓口(消費者ホットライン:188)に電話して、話した内容と状況を伝えましょう。また、警察の相談窓口(#9110)に連絡することも選択肢のひとつです。
住所と家族構成を話してしまった場合は、念のため近隣の防犯意識を高め、不審者の監視体制を強化することをおすすめします。
クレジットカード番号・口座情報を伝えてしまった場合
これは緊急事態です。一刻も早くそのカードの発行会社に電話してカードを止めてください。銀行口座の場合は口座の利用停止手続きを取ることを検討してください。被害が発生した後では取り戻すのが非常に困難になります。また警察への被害届の提出も必要です。
URLをタップしてしまった場合
URLを開いただけで情報が抜かれることは通常ありませんが、ページ上で何か入力した場合はカード会社や銀行への連絡を優先してください。また、スマートフォンのセキュリティアプリでスキャンを行うことも有効です。
ブロック・着信拒否の設定方法
iPhoneの場合は、着信履歴からこの番号をタップし、下の方にある「この発信者を着信拒否」を選択するだけです。Androidの場合は着信履歴で番号を長押しして、ブロックまたは迷惑電話として報告を選んでください。
キャリアのサービスも活用できます。ドコモの迷惑電話ストップサービス、au・SoftBank・楽天の各種迷惑電話フィルタリングサービスに加入しておくと、既知の迷惑番号からの着信を自動的にブロックしてくれます。
また、iPhoneには知らない番号を自動的に留守電に回す機能があります。設定→電話→不明な発信者を消音をオンにしておくと、連絡先に登録していない番号からの着信は着信音が鳴らず留守電に回るため、精神的なストレスがかなり軽減されます。
同種の番号にも注意
08003007022と同様に0800で始まる番号から、電気料金調査や電力会社を名乗る電話がかかってきたという報告は他にも多数あります。番号さえ変えればブロックをすり抜けられるため、着信拒否後に別番号から同様の電話が来るケースも想定されます。
一番の防衛策は、登録していない番号からの電話には基本的に出ない習慣をつけることです。本当に必要な用件であれば、相手は留守電にメッセージを残すか、別の手段で連絡を取ろうとするはずです。
家族への共有が特に重要
この電話が狙っている層のひとつが高齢者です。電気料金という生活に直結した話題は誰でも関心を持ちやすく、しかも自動音声という形式は人間の声と違って感情が読み取りにくいため、冷静な判断を狂わせやすいのです。
うっかり答えた情報から、この前の栃木県上三川町での事件のように悪用するケースも考えられます。
実際、電気料金という公共性の高い話題と自動音声の組み合わせは気をつけていても、うっかり答えてしまう人が多いようです。
自分は大丈夫と思っていても、高齢の親御さんや同居の家族は要注意です。固定電話にかかってくることも多いので、ぜひ家族全員にこういった手口が増えている、うっかり答えると犯罪行為み悪用されるリスクがあるということを話しておいてください。闇バイト強盗の下調べに使われる可能性があるという点は、今の御時世、特に真剣に考えなくてはいけません。
まとめ
08003007022(0800-300-7022)からの電話について整理すると次のとおりです。
発信元は「電気料金調査センター」を名乗っていますが、そのような組織の実態は確認できていません。口コミの90%以上が迷惑評価という数字が示すとおり、これは詐欺まがいの非常に危険な電話です。
答えてしまった情報は、金融詐欺への転用だけでなく、闇バイト強盗のターゲットリスト作成に使われる可能性があります。家族構成や在宅時間帯という一見無害に見える情報が、実際には強盗の下調べに役立つデータになり得るということは、改めて強調しておきたいと思います。
着信があったら無視・即ブロック。これだけ徹底してください。すでに何か答えてしまったという方は、答えた内容に応じて消費生活センター(188)や警察相談窓口(#9110)に早めに相談することをおすすめします。

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